土屋きみやす−ツッチーレポート

2007年10月の記事

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2007年10月29日(月) 09:37

2007/10/29 09:37

 10月22日に「厚木基地騒音対策協議会」が開催されたということを翌23日の神奈川新聞で知った。
 大きく、「組織は現状維持に NLP実施で一転、存続」とあり、ちょっとびっくりした。
 神奈川新聞の田口要という記者の署名記事であるが、私の存在と前回の発言を、随分と過大に認識しているようだ。
 
 まず、ここに2つの間違いがある。
 その1.「組織は現状維持に」とあるが、昨年この会で大和市長として私は「岩国に空母艦載機部隊が移転する時期を見据えて、将来は段階的解消を」と言ったので、しばらく現状維持なのは今に始まったことではない。
 その2.したがって「NLP実施で一転、存続」という表現も正確ではない。

 私の主張は次の通りである。
 1. この会の名称は「騒音対策」であるが、その目的は会則にあるように「NLPを硫黄島で全面的に実施させる」ことである。
 1. 岩国基地の沖合滑走路が完成し、第5空母航空団が移転しても、NLPの訓練場所が決まらないと、硫黄島は引き続き使用される。
 1. したがって、この会を存続させるということは「他にNLPの訓練場所が決まらなくとも(決めなくても)、引き続き硫黄島で行っていれば良い」ということになり、将来的にも受け入れることになる。
 1. 在日米海軍には願ったりであろう。横須賀にも硫黄島にも岩国より近く、日本飛行機(株)も存在する厚木基地に引き続き艦載機を飛来させ、その出入りには訓練まがいの飛行もできる。時には硫黄島の天候などを理由にNLPも行える。
 1. 硫黄島はあれだけの施設であり、引き続き使用させたい気持ちも充分理解できるが、日米政府間の取り決めはあくまでも“暫定使用”の場所である。
 1. したがって、この会の存続は在日米海軍、太平洋艦隊、第7艦隊、第五空母航空団、そしてわが国の政府と防衛省にも願ったりのことなのである。

 この私の主張が理解できている基地関係職員のいる自治体は健全である。
 将来を見据えた首長がいないことは、住民にとって不幸である。

 この記事を読んだとき「衆愚政治」という言葉が頭に浮かんだが、正確には「衆無(知)政治」なのである。

 もうひとつ浮かんだ言葉。
 「死せる孔明 生ける仲達を走らす」
 (そういえば22日はしきりにクシャミが出たっけ・・・・。)

 蛇足:「諸葛孔明」が私、「仲達」が知事などこの会のメンバー。
 今からでも知識や教養を深めたい人は、あらためて「故事ことわざ辞典」を読んでいただきたい。

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2007年10月23日(火) 16:21

2007/10/23 16:21



 以前報告した8月の北海道芽室町における講演が、北海道町村会発行の機関誌『フロンティア』に掲載されましたので、ここにご紹介いたします。

 北海道内の町や村の情報交換に寄与している雑誌であろう事は、その内容で良く解る。
 雑誌の「講演会から」というコーナーに他の3人の講演と共に掲載されている。

 私の前に掲載されているのが早稲田大学大学院教授・前三重県知事の北川正恭氏と慶応義塾大学教授・前鳥取県知事の片山善博氏で、私の後が北海道大学公共政策大学院の石井吉春教授であり、北海道の自治体関係者の向上心と真面目さがこの雑誌で理解できる。

 さてその内容であるが、良く纏めてある。

 1時間以上の講演と質疑応答であるので、こんなに要領良く簡潔に話したわけではない。

 したがって逆に、ちょっと短く纏めすぎて物足りないようにも本人としては感じるが、欲を言えばきりがない。
 素直に納得。

 これが少しでも芽室町のみならず、北海道内の他の自治体に参考になれば、その目的は充分達成される。

 

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2007年10月19日(金) 15:01

2007/10/19 15:01

 前回、『地方自治 職員研修』10月号の山口立正大学教授の論文を引用し、その内容を紹介した。
 大和市の自治基本条例を「もっとも妥当性の高い手法として全国で学ばれた〜」、「最も念入りなプロセスで制定された〜」と評価し、さらに論文のまとめ部分では「大和市の自治基本条例は、もはや大和市だけのものではなく、日本の自治体全体の共有財産でもある」とまで書いて、その存廃を危惧してくれた事はお読みいただいた通りである。

 大和市の恥が天下に曝された。

 そして今度は「広報やまと」10月15日号に掲載された「トピックス」の記事「地域通貨ラブの運用が停止になります」の記事である。
 ラブスは私が特にリードしたり関わってきたものではないので私自身は淡々としているが、多くの職員と市民の参加・協働で進めてきた地域通貨「ラブス(ローカル・ヴァリュー・エクスチェンジ・システムの頭文字)」である。
 熱心に普及させてきた職員や市民の方々の心中を察するに余り有る。

 この件について当時関わっていたのか、或る職員からメールが来た。
 地域通貨「ラブ」に関してだけではなく、大和市のICカード全般に関する内容である。

 いわく。

 「国の実証実験にフィールドを提供(ICカード・ラブス)したもので、6億4,00万は国費」
 「ICカードの普及に大きく寄与した」 「地域通貨の運用をリードしてきた」
 「総務省などが提供する標準システムの基礎となった」

 などなどである。

 まさに土屋大和市政時代のIT政策も、日頃私が言っていたように「大和市のヴァンガード(先駆・先頭・指導)が日本のスタンダードに」なっていたのである。

 また、地方自治体の広報として“不正確”で、“自己否定”につながると思った部分は「これまで約8億4,000万円のお金を使ってきた」という説明不足で乱暴な部分である。
 これは議会でも指摘されたことがある。
 「国のパイロット事業だ」と私が答弁しても、その議員は「国の金でも税金だ」という飛躍した論理の反論をしていた。笑止千万であった。
 どこにも、いつの世にも、現象面しか見ない議員はいる。
 歴史的な経過を知らない新市長である。
 誰が囁いているのかもよく解る。

 私は客観的に物事が見え、合理的に物事を考える。
 前述の山口教授ではないが、確実に大和市のIT政策は「全国で学ばれ」、また「日本の自治体全体の共有財産」の基礎を築いたのである。
 今回の「トピックス」を読んでいて、怒るというより知らないことの恥ずかしさに哀れさを感じた。
 しかし、孔子曰く「ひと(他人)しらずして憤らず、また君子ならずや」である。

 今回の広報を読んで、むしろ私はやりがいがあり、明るく、楽しかった頃の大和市の行政を思い出した。
 (多くの職員もそう思っていると、複数の職員から聞く)
 さて、ICカードを普及させたい国(通産省)が「先進的アプリケーション事業」というパイロット事業(メールの職員のいう実証実験か?)を募集した時、当時の通産省(現在の経産省)の広瀬局長(当時・後に事務次官・現在は大分県知事)と約1時間パイロット事業に大和市が選ばれるよう話し合い、その後大和市などが選ばれたのだが、今では楽しい思い出である。

 その後何度か通産省(当時)の依頼で、全国をリードする自治体として、パネルディスカションなどに招かれた。
 今思い出すのは、北の丸公園内の科学技術館(余談だが、この時一緒にパネリストだった現衆議院議員で当時岡山市長の萩原氏が壇上で話しかけてきて困った)や、香川県高松市で行われた四国全体の自治体や企業に対するパネルディスカッションである。
 また、日経アワード大賞だったか、受賞したことも良き時代の大和市の思い出である。
 もうひとつ、職員のメールにある「総務省」に関しては、住基カードのことであろうか? 私が指示をして、職員が大変な努力して実現した「オールインワンカード」も、自治体の市民ICカードと総務省の求めるもののコラボレートの成果である。

 カードに関して私の思いは、一貫して“決済機能を付加”させることと、市立病院の“診療カードなどとの一体化”であった。
 決済機能については民間のカードとのジョイントを進めていたが、これも今後はもう無理であろう。

 現在私も、SuicaやEdy、そしてその他の各種カードで日々過ごしている。
 国の費用で9万枚普及させた大和市の「市民ICカード」、前市政に対するやきもちや劣等感から脱皮して、むしろ活用するべきなのではないのだろうか?

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2007年10月10日(水) 14:15

2007/10/10 14:15

 9月25日のブログで私は、「ところで最近ある自治体職員向けの月刊誌に大和市のトップとその政策が変わったことを指摘して、その後退を危惧する大学教授の論文が掲載されたらしい」と書いた。
 その後、その本を送ってくださった方がいたので、遅くなりましたが少し詳しく報告いたします。

 「公職研」というところが発行している『地方自治 職員研修』という月刊誌である。
 すなわち、全国の自治体職員や大学等の研究者、地方自治に携わるNPOなどの団体関係者を対象にした本で、その10月号に掲載されている「地方の目」というコーナーに「大和市自治基本条例が危ない! 政権交替で葬られる!?“自治体の憲法”」という論文なのである。
 論文執筆者は立正大学の山口道昭教授。

 著作権法の関係で全文をここで紹介できないが、至極まともで鋭い論文であるので、できるだけ本文から引用しつつ紹介する。
 全体の構成であるが、題名・サブタイトル、写真4葉と写真キャプション、導入文があり、前文から始まって、大和市自治基本条例の特徴(内容・制定過程)、大和市自治基本条例の見直しの方向(内容・見直し手続き)、大和市自治基本条例関連諸制度とその見直しの方向、条例に対する議会のスタンス、といった組み立ての論文である。

 題名・タイトルの下に掲載されている4枚のPI(パブリック・インボルブメント)の風景写真の説明には、「徹底的なPIの手法をとり、行政、議会の手を経て条例化した、大和市自治基本条例。もっとも妥当性の高い手法として全国に学ばれた条例の行方が、揺らいでいる・・・。」と記されている。
 続いてゴチック体で導入文章がある。
 国と地方の動向から入っているのと少し長い文章だが、大和市の市民参加とその手法、自治基本条例そのものが如何に全国のモデルであるかの証明であるので、ここに全文を紹介する。


 地方分権が再び起動した。すなわち、2007年4月、地方分権改革推進法が施行され、同法に基づいて設置された地方分権改革推進委員会が審議を開始。同委員会は、月に3〜4回のハイペースで審議を続けている。5月30日には、「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方ー地方が主役の国づくり」を早くも取りまとめ、そこに「条例による法令の上書き権を含めた条例制定権の拡大」が盛り込まれ、注目されている。しかし、「自治体の憲法」といわれた自治基本条例、中でも最も念入りなプロセスで制定された大和市の条例がいま、存廃の危機にあるというー。

 論文全体を通して、もちろん学術論文であるので「市長が替われば、市の政策も変わる。民意を受けての結果であるから、これは当然である」と客観的に基本的事実は認め、選挙や市長交代に関してのコメントはほとんど控えていらっしゃる。
 が、その後に続く文章で、「しかし、自治基本条例のような自治体の基本条例については、しかも大和市自治基本条例のように徹底的な市民参加に基づいて制定された条例については、この改正に関しても、制定時に勝るとも劣らない市民の間での議論が求められるのではないだろうか。先の選挙戦において、多選の弊害などが争点になったようだが、自治基本条例の内容が明示的に取り上げられたようには思えない」と、仮に改正する場合にもその手法についての筋論を指摘し、さらに選挙時のマニフェストや公約に掲げられていなかった点にも言及して、その政権交代や政策変更の手法に警告を発している。
 さらに、論文中の「大和市自治基本条例の見直しの方向・見直し手続き」の文末では次のような指摘をしている。

 そこで、一般的に、市民参加を経て制定された条例の見直しは、市民参加を経ることになる。過去の市民参加を否定しては、将来の市民参加を否定することになってしまう。こうして、市民参加抜きで条例を見直すことは、きわめて困難となる。つまり、過去の市民参加の有効性を認めることで将来の市民参加に正当性を与える、といった方法をとらない限り、独裁的な市長といった批判から免れることはできないように思われる。

 小気味良い。

 論文の最後は次のような文章で締めくくられている。

 たとえ、このようにすばらしい大和市自治基本条例が見直されるにしても、この過程が透明であり、多くの市民に納得されるものとなることを願ってやまない。繰り返すが、大和市自治基本条例は、もはや大和市だけのものではなく、日本の自治体全体の共有財産でもあるのだから。

 このように、大和市の今までの市民参加に対する反撥や私の行政実現手法への抵抗は、見直そうとすればすれば見直そうとするほど、逆にその存在は光り輝く。
 今まで土屋市政に関わって下さった議員・市民・住民・職員の皆さんは、“民主主義の学校”を実践してきた誇りを持ち続けていただきたい。

 近々横浜市内にある団体の「トークサロン・セミナー」でお話をしてほしいという依頼があった。
 与えられたテーマは「大和市における社会改革の経過及び成果」というものである。
 むろん今までの土屋市政をPRするつもりである。
 ますます意気軒高、弁舌さわやか、パソコンの指先も快調である。

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2007年10月4日(木) 14:10

2007/10/04 14:10

 


 10月2日から大正大学の講義が始まった。
 最初にいつも気になるのは受講者数である。
 希望者が数人だと講義は成立しない。
 今まで、20人ほどの時もあったが、平均で50人近くが受講している。
 今年の受講希望者は過去最多の74人である。
 もちろんそれよりは減るし、追加受講者もいる。
 初日が60人だったので,今年はこの前後で推移するのであろう。



 さて講義のテーマであるが例年恒例で好評の「地方自治は“おもしろい”概論」である。
 日々のニュースを交えて、ややもすると面白くないとか関心がないといわれる地方自治にもっと知識と関心を持ってもらうのが目的である。
 最初は全体の話だったが、後半に黒板に書いて、税金(国税や地方税)の話や用語の説明をしたら、多くの学生がノートに書き写していた。
 こうした、反応や雰囲気が次回の講義の参考になる。

 出席カードには、その日の講義に対するコメント(感想や意見)、または質問を書いて出してもらう。
 質問に対しては次回の講義の冒頭で回答をする。
 毎回、講義終了後にコピーしてもらい、コメントや質問を帰りの電車で読むのも楽しみの一つである。
 

                     土屋侯保

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