土屋きみやす−ツッチーレポート

2009年06月の記事

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2009年6月30日(火) 11:02

2009/06/30 11:02

 以前、大和市の都市計画事業である「渋谷(南部地区)土地区画整理事業 審議会」の委員をお願いしていたS氏から、S氏が永年いろいろな区画整理に関わった仕事に関する自分史の御本をいただいていた。

 もちろん、当時ざっと読ませたいただいたが、最近じっくりと読み直してみたらとても興味深い事柄が多く、大変勉強になった。


 終戦後の新宿や渋谷の区画整理は、私が高校や大学時代に過した環境とオーバーラップするし、港北ニュータウンなどの経験談には“目から鱗”の個所もあった。

 たとえば、「申出換地」とか、ニュータウンを都市区画整理の視点から見た記述とかである。

 私にとってのニュータウンとはウェルウイン・ガーデン・シティやスティーブネージをはじめとするイギリスのニュータウン、また千里ニュータウン、多摩ニュータウン、高蔵寺ニュータウン等の日本のそれであるが、どちらのニュータウンも“土地区画整理事業”という視点からは見ていなかった。

 ニュータウンといえども、やはり換地や減歩でご苦労するのだということを実務者の体験から知った。


 色々の資料に目を通していたら、懐かしい“Bプラン”という言葉に出会った。

 以前だったら、“Bプラン”というテーマだけで30分でも1時間でも講演できたのに、現場を離れて時が経った今は(あれ、Bプランって?、えーと何だっけ?)という感じだったのである。

 しかしこれがきっかけで、Bプランはもとより、ゾーニング、アディケス法の区画整理、関東大震災後の土地区画整理事業などの勉強もし直すことができた。


 話は変わるが、会う人毎に「グログ楽しみに見ていますよ、だからもっと更新してください」とよくいわれる。

 他の自治体の方からはブログの更新どころか「こっちで選挙に出てください。」といわれる。

 「議員ならともかく、首長はやはりその土地で生まれ育った人、少なくとも住んでいる人、固定資産税を払っている人でなくては住民が不幸せになる」とお答えする。「それならば、衆院選とか参院選とか知事選に」といわれる。

 その理由は「私たちが投票できる選挙に・・・」というのが理由らしい。

 先日、電話で講演を依頼してきた方からは、そこの自治体の実態を話してくれた。


 また、別の(多くの知り合いがいる)或る自治体の職員から、新しい首長についてこんなメールが届いた。

 「住民の目は正直よくわかりませんが、役所内はかなりボロボロになってきています。この地を愛さず、職員を信用せず、議員に敬意を払うこともなく、もちろん職員から敬意を払われることもないのですが、とにかく細かい事まで口を出しすぎて、部(長)の裁量もなく、組織として完全に疲弊しています。云々」


 最近の傾向で、現職が敗れたり、若い人が首長に就任しているが、この自治体のようにならないことを祈るばかりである。

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2009年6月15日(月) 18:41

2009/06/15 18:41

 最近の(というより、いつの世もだが・・・)ニュースに接していて、私は“つくづく世の中というものは悪事や不正が後を絶たないものだ”と嘆いている。

 飲酒運転が良い例である。本人は「この位なら・・・」と勝手な判断でやるのだろうが、それが間違いのもとなのである。


 直近の大学の講義でも(資料1)、先日の大和市倫理法人会のモーニング・セミナーでの講演でも(資料2)、こうした昨今の風潮を憂いて「コンプライアンス」を主要テーマにした。
<資料1>
 大正大学 TAP講座
「まちづくり(地方自治・都市政策」はおもしろい」概論
招聘教授 土 屋 侯 保 
春学期第7周
「コンプライアンスは法令遵守より重い」レジュメ.
  1. 語源は「Complete Supply」

  2. 「完全なものの提供」がなぜ「法令遵守」?

  3. 法律以上に重いのは"倫理"?"正義"?

  4. 東洋思想で求める"天"への畏敬。

  5. その他。

<資料2>
(大和市倫理法人会 経営者モーニングセミナーレジュメ)
「報徳思想とコンプライアンス」
大正大学招聘教授 土屋 侯保
  1. 二宮尊徳の思想(報徳思想)とは?
    推譲と分度について。

  2. 赤字国債、起債、借金の世の中で良いのか?

  3. 拝金主義と自己保身の世で良いのか?

  4. コンプライアンスとは”法令遵守”か?

  5. その他。

 そして結論は東洋思想の“天”でまとめた(資料3)。
<資料3>
「天」の思想

  天=至上神の観念をもっとも発展させたのは漢民族で、「天命」、天道」、「天人相関」、「天理」など多くの言葉がある。
「王者は常に民を尊びて天とす」

「天網恢恢 疎にして漏らさず」

「天に口無し 人をして言わしむ」

「天に唾する」

「天の与うるを取らざれば 反って其の咎を受く」

「天の声」

「天知る 地知る 子知る 我知る」

「天の時は地の利に如かず 地の利は人の和に如かず」

「天の作せる孼(わざわい)は猶違(さ)くべし、自ら作せる孼は逭(のが)るべからず」

「天の高きに処(お)って 卑(ひく)きに聴く」

「天を怨みず 人を尤(とが)めず」

「井の中の蛙 大海を知らず 而して天の蒼さを知る」

 ところで充分予測されたことだが、政令市千葉市長選挙で若き新人が前副市長などを破って当選した。

 前任の市長が収賄容疑で逮捕と辞職に伴うもので、まずその前任市長の犯罪行為こそ唾棄すべきものであるが、その時の副市長が市長選挙に立候補することの無自覚さを私は嘆く。

 世の中には、こうした世論(私のいう“天”)を理解できない人や政党(今回の自民党と公明党)がいることも事実であり、つくづく嘆かわしい。

 かつて大和市で新たに就任した市長から「引き続き助役をやって」と懇請されたが、「二君に仕えず」と言い、さっさと助役を辞めた人がいた。

 私が市議選に初めて立候補するとき、父は私を連れてその方のところに伺い、「こういう人こそ本当の人格者であり、この人こそが真の士(さむらい)だ」と表現し、紹介してくれた。

 今の時代、平気で時勢の流れで乗り換える人がいるが、人(天)は必ず見ている。


 今回の千葉市長選で立候補した副市長には勿論、罪は無いのであろうが、道議的に補佐をする副市長が「知らなかった」、「関係していない」、「そうした恐れは感じられたが諌めなかった」というのでは、そもそも副市長失格であり、ましてや市長の資格はない。


 厚生労働省の現役キャリア官僚の局長が郵便法(障害者団体に対する郵便料金の割引制度)違反で逮捕されたが、これも唾棄すべき犯罪である。

 政治家が関与しているとの話もあるが、嘆かわしい。厳しく処分すべきであろう。


 将に今の時代に求められるのは、単なる「法令遵守」ではない本当の意味の「コンプライアンス(語源=Complete Supply)」であり、東洋思想の「天」なのである。

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2009年6月5日(金) 12:59

2009/06/05 12:59

 大正大学での講義も6回目を終えている。

 第4週目は「条例と法(地方自治体と国の)」というテーマ。

 昭和60年の「武蔵野市長給水拒否事件」を例に国(法)と地方(この場合は条例ではなく要綱)の関係や西暦2000年の地方分権推進法以降の国と地方の関係の変化などを話した。


 ザル法になりかねない罰則規定を盛り込んだ条例の限界や、地方自治体の果たすべき役割に関しては、その代表条例として「大和市新しい公共を創造する市民活動推進条例」と「大和市自治基本条例」の話をした。

 前者はその前文を、後者に関してはその特徴的な条文の内容と制定の経過を話した。

 学生の関心は住民投票の“16歳”の個所であった。


 第5週と第6週は北海道栗山町議会基本条例を中心に講義をした。

 神奈川県議会もその委員会委員20名が視察に訪れ、その後、神奈川県議会基本条例を制定したがその実態は・・・、ということで、神奈川ネットワーク運動の機関誌の一部のコピーを資料として学生に配布した。



 地方議会と首長(鹿児島県阿久根市)、住民と首長(千葉県銚子市)、首長選挙でのキャンペーン(公約・マニフェスト)の実効性(名古屋市長選挙)などなど、地方自治に関する講義資料は日々のニュースから充分調達できる。

 地方自治はまさに“民主主義の学校”である。


 そうそう、大和市のことも最近の新聞で読んだ。

 大和駅周辺の再開発(名称は「大和駅周辺第四街区再開発事業」だったかな?)が不況によって先に延びているという内容だった。

 インフラ整備に関して、私は高座渋谷駅周辺土地区画整理事業に微力を尽くし、鶴間駅から東に延びる246号線の整備を国土交通省と進め、南林間駅前西側駅広の再整備を小田急電鉄と共におこなった。

 そして、いよいよ大和駅周辺を手掛ける予定だったが、残念ながらその職を離れた。

 (永い間商店会長や地元の市議会議員として関わってきた私なら大和駅周辺の都市再生は・・・)という思いは強くあった。

 アメリカのJ・W・ラウス氏の都市再生の手法など、実務と学習の融合を信条とする私は、今でも研究はしている。


 それにしても、私がみずき通り商店会長だった時の“アメリカン・フェア”は毎回すごい人出だった。

 当時の忠実屋から駅まで人・人・人で埋まったあの風景を、今でも多くが人が懐かしむ。

 大和阿波おどりも、連の1メンバーとして、また実行委員会や名誉会長として関わった15周年や20周年の頃は賑やかで華やかだった。


 大和駅周辺の“都市再生”は、交通体系の変更では解決しない。

 住民(来街者・商店会・自治会など)の意向を正しく分析し実施しない限り、混乱し、今以上に来街者を遠ざける恐れがある。

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