土屋きみやす−ツッチーレポート

2007年10月10日(水) 00:00

2007/10/10 14:15

 9月25日のブログで私は、「ところで最近ある自治体職員向けの月刊誌に大和市のトップとその政策が変わったことを指摘して、その後退を危惧する大学教授の論文が掲載されたらしい」と書いた。
 その後、その本を送ってくださった方がいたので、遅くなりましたが少し詳しく報告いたします。

 「公職研」というところが発行している『地方自治 職員研修』という月刊誌である。
 すなわち、全国の自治体職員や大学等の研究者、地方自治に携わるNPOなどの団体関係者を対象にした本で、その10月号に掲載されている「地方の目」というコーナーに「大和市自治基本条例が危ない! 政権交替で葬られる!?“自治体の憲法”」という論文なのである。
 論文執筆者は立正大学の山口道昭教授。

 著作権法の関係で全文をここで紹介できないが、至極まともで鋭い論文であるので、できるだけ本文から引用しつつ紹介する。
 全体の構成であるが、題名・サブタイトル、写真4葉と写真キャプション、導入文があり、前文から始まって、大和市自治基本条例の特徴(内容・制定過程)、大和市自治基本条例の見直しの方向(内容・見直し手続き)、大和市自治基本条例関連諸制度とその見直しの方向、条例に対する議会のスタンス、といった組み立ての論文である。

 題名・タイトルの下に掲載されている4枚のPI(パブリック・インボルブメント)の風景写真の説明には、「徹底的なPIの手法をとり、行政、議会の手を経て条例化した、大和市自治基本条例。もっとも妥当性の高い手法として全国に学ばれた条例の行方が、揺らいでいる・・・。」と記されている。
 続いてゴチック体で導入文章がある。
 国と地方の動向から入っているのと少し長い文章だが、大和市の市民参加とその手法、自治基本条例そのものが如何に全国のモデルであるかの証明であるので、ここに全文を紹介する。


 地方分権が再び起動した。すなわち、2007年4月、地方分権改革推進法が施行され、同法に基づいて設置された地方分権改革推進委員会が審議を開始。同委員会は、月に3〜4回のハイペースで審議を続けている。5月30日には、「地方分権改革推進にあたっての基本的な考え方ー地方が主役の国づくり」を早くも取りまとめ、そこに「条例による法令の上書き権を含めた条例制定権の拡大」が盛り込まれ、注目されている。しかし、「自治体の憲法」といわれた自治基本条例、中でも最も念入りなプロセスで制定された大和市の条例がいま、存廃の危機にあるというー。

 論文全体を通して、もちろん学術論文であるので「市長が替われば、市の政策も変わる。民意を受けての結果であるから、これは当然である」と客観的に基本的事実は認め、選挙や市長交代に関してのコメントはほとんど控えていらっしゃる。
 が、その後に続く文章で、「しかし、自治基本条例のような自治体の基本条例については、しかも大和市自治基本条例のように徹底的な市民参加に基づいて制定された条例については、この改正に関しても、制定時に勝るとも劣らない市民の間での議論が求められるのではないだろうか。先の選挙戦において、多選の弊害などが争点になったようだが、自治基本条例の内容が明示的に取り上げられたようには思えない」と、仮に改正する場合にもその手法についての筋論を指摘し、さらに選挙時のマニフェストや公約に掲げられていなかった点にも言及して、その政権交代や政策変更の手法に警告を発している。
 さらに、論文中の「大和市自治基本条例の見直しの方向・見直し手続き」の文末では次のような指摘をしている。

 そこで、一般的に、市民参加を経て制定された条例の見直しは、市民参加を経ることになる。過去の市民参加を否定しては、将来の市民参加を否定することになってしまう。こうして、市民参加抜きで条例を見直すことは、きわめて困難となる。つまり、過去の市民参加の有効性を認めることで将来の市民参加に正当性を与える、といった方法をとらない限り、独裁的な市長といった批判から免れることはできないように思われる。

 小気味良い。

 論文の最後は次のような文章で締めくくられている。

 たとえ、このようにすばらしい大和市自治基本条例が見直されるにしても、この過程が透明であり、多くの市民に納得されるものとなることを願ってやまない。繰り返すが、大和市自治基本条例は、もはや大和市だけのものではなく、日本の自治体全体の共有財産でもあるのだから。

 このように、大和市の今までの市民参加に対する反撥や私の行政実現手法への抵抗は、見直そうとすればすれば見直そうとするほど、逆にその存在は光り輝く。
 今まで土屋市政に関わって下さった議員・市民・住民・職員の皆さんは、“民主主義の学校”を実践してきた誇りを持ち続けていただきたい。

 近々横浜市内にある団体の「トークサロン・セミナー」でお話をしてほしいという依頼があった。
 与えられたテーマは「大和市における社会改革の経過及び成果」というものである。
 むろん今までの土屋市政をPRするつもりである。
 ますます意気軒高、弁舌さわやか、パソコンの指先も快調である。

written by kimiyasu [ツッチーレポート] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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