土屋きみやす−ツッチーレポート

2007年10月19日(金) 00:00

2007/10/19 15:01

 前回、『地方自治 職員研修』10月号の山口立正大学教授の論文を引用し、その内容を紹介した。
 大和市の自治基本条例を「もっとも妥当性の高い手法として全国で学ばれた〜」、「最も念入りなプロセスで制定された〜」と評価し、さらに論文のまとめ部分では「大和市の自治基本条例は、もはや大和市だけのものではなく、日本の自治体全体の共有財産でもある」とまで書いて、その存廃を危惧してくれた事はお読みいただいた通りである。

 大和市の恥が天下に曝された。

 そして今度は「広報やまと」10月15日号に掲載された「トピックス」の記事「地域通貨ラブの運用が停止になります」の記事である。
 ラブスは私が特にリードしたり関わってきたものではないので私自身は淡々としているが、多くの職員と市民の参加・協働で進めてきた地域通貨「ラブス(ローカル・ヴァリュー・エクスチェンジ・システムの頭文字)」である。
 熱心に普及させてきた職員や市民の方々の心中を察するに余り有る。

 この件について当時関わっていたのか、或る職員からメールが来た。
 地域通貨「ラブ」に関してだけではなく、大和市のICカード全般に関する内容である。

 いわく。

 「国の実証実験にフィールドを提供(ICカード・ラブス)したもので、6億4,00万は国費」
 「ICカードの普及に大きく寄与した」 「地域通貨の運用をリードしてきた」
 「総務省などが提供する標準システムの基礎となった」

 などなどである。

 まさに土屋大和市政時代のIT政策も、日頃私が言っていたように「大和市のヴァンガード(先駆・先頭・指導)が日本のスタンダードに」なっていたのである。

 また、地方自治体の広報として“不正確”で、“自己否定”につながると思った部分は「これまで約8億4,000万円のお金を使ってきた」という説明不足で乱暴な部分である。
 これは議会でも指摘されたことがある。
 「国のパイロット事業だ」と私が答弁しても、その議員は「国の金でも税金だ」という飛躍した論理の反論をしていた。笑止千万であった。
 どこにも、いつの世にも、現象面しか見ない議員はいる。
 歴史的な経過を知らない新市長である。
 誰が囁いているのかもよく解る。

 私は客観的に物事が見え、合理的に物事を考える。
 前述の山口教授ではないが、確実に大和市のIT政策は「全国で学ばれ」、また「日本の自治体全体の共有財産」の基礎を築いたのである。
 今回の「トピックス」を読んでいて、怒るというより知らないことの恥ずかしさに哀れさを感じた。
 しかし、孔子曰く「ひと(他人)しらずして憤らず、また君子ならずや」である。

 今回の広報を読んで、むしろ私はやりがいがあり、明るく、楽しかった頃の大和市の行政を思い出した。
 (多くの職員もそう思っていると、複数の職員から聞く)
 さて、ICカードを普及させたい国(通産省)が「先進的アプリケーション事業」というパイロット事業(メールの職員のいう実証実験か?)を募集した時、当時の通産省(現在の経産省)の広瀬局長(当時・後に事務次官・現在は大分県知事)と約1時間パイロット事業に大和市が選ばれるよう話し合い、その後大和市などが選ばれたのだが、今では楽しい思い出である。

 その後何度か通産省(当時)の依頼で、全国をリードする自治体として、パネルディスカションなどに招かれた。
 今思い出すのは、北の丸公園内の科学技術館(余談だが、この時一緒にパネリストだった現衆議院議員で当時岡山市長の萩原氏が壇上で話しかけてきて困った)や、香川県高松市で行われた四国全体の自治体や企業に対するパネルディスカッションである。
 また、日経アワード大賞だったか、受賞したことも良き時代の大和市の思い出である。
 もうひとつ、職員のメールにある「総務省」に関しては、住基カードのことであろうか? 私が指示をして、職員が大変な努力して実現した「オールインワンカード」も、自治体の市民ICカードと総務省の求めるもののコラボレートの成果である。

 カードに関して私の思いは、一貫して“決済機能を付加”させることと、市立病院の“診療カードなどとの一体化”であった。
 決済機能については民間のカードとのジョイントを進めていたが、これも今後はもう無理であろう。

 現在私も、SuicaやEdy、そしてその他の各種カードで日々過ごしている。
 国の費用で9万枚普及させた大和市の「市民ICカード」、前市政に対するやきもちや劣等感から脱皮して、むしろ活用するべきなのではないのだろうか?

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