土屋きみやす−ツッチーレポート

2009年8月26日(水) 00:00

富士登山

 最近、富士登山にはまっている。
 数年前に富士山の五合目から御中道・御庭・奥庭をトレッキングし、精進口の三合目まで下る“富士下山”をしたのがきっかけで、ここ数年は富士山を仰ぎ見るたびに心が引かれ、夏になると無性に登りたくなっていたのである。

 “富士山は見るものだ”とよく言われるが、その頃から私は“富士は入るもの”であり“登るもの” であると考えるようになった。“森林限界“といわれる六合目までの森林や、風雪に耐えて根を張る低木の樹林帯を歩きながら頂上を仰ぎ見るのも良いが、その後、頂上まで登りたくなってきた。
 そして昨年62歳にして初めてT新聞のツアーに参加して登った。ガイドと添乗員のおかげで不安もほとんど感じずトップグループについて何とか登頂を果たしたが、やはり団体行動の登山にはいろいろと考えることもあった。

 その経験から、今年は単独で、しかも他のルートにチャレンジしたのである。
 昨年は「河口湖・富士吉田口」の五合目(標高2,000m)から登り始め、本七合目に泊まり、夜明け前に登り始めて頂上でご来光を拝む、というもっともポピュラーなコースだったので、今回はふじあざみラインの終点に車を駐車して「須走り口」から登った。
 このルートは、富士吉田口より約400m下から登るので1時間ほど多く歩くことになり、多くの富士登山者に敬遠される理由でもある。


(頂上ははるかむこう)

 
(頂上まで6時間30分とあるが、とても無理である)

 8月19日の朝9時半頃に登り始めたが、早く頂上を目指すのではなく途中の花や全体の風景を楽しみつつ登るのが単独登山の良さであり私のスタイルである。
 “自分のペース”でゆっくり登った。
 六合目の「瀬戸館」(2,700m)に11時半頃到着、早めの昼食を食べた。
 少し食休みをしてまた登り始め、七合目(2,950m)の「大陽館(何故か“太陽”ではない)」に午後2時前に到着。
 休憩後さらに登り始め、宿泊を考えていた本七合目か八合目を目指した。 途中、午前中ほとんど同じペースで登っていたペアが下山してきたので、「え?ここからもう降りるのですか?」と訊いたら「本七合目の見晴館(3,250m)は一杯で泊まれません。更に八合目の江戸屋(3,350m)から上は富士吉田口と合流するのでもっと一杯だと思いますので戻ってきました」とのことであった。
 予約をしていない私には無駄な登り下りをせずに済む良い情報であり、このお二人には申し訳ないが私はラッキーだった。
 そして、先ほどの「太陽館」に14時20分チェック・イン。


 17時の夕食はハンバーグ。チョッと箸をつけてから、撮ったのがこの写真。

 キャベツはほんのちょっと、昆布の佃煮も数本、たった1枚だけのタクアン。きんぴらがあるのかと思ったらお皿の絵柄、でもご飯とトン汁はお代わり自由なので充分美味しく頂きました。特にトン汁はとても美味しかった。
 結果的に低い所に泊まったので、上に行くほど空気が薄くなる富士山に体が順応し、翌日は高山病(頭痛や息切れ)にならなかった。
 下界の夜景や、夜空の星を楽しんで、21時半の消灯と共に就寝。午前3時に起床。
 5時前に出発して5時28分ころ本七合目あたりでご来光を拝む。


 7時17分本八合目「江戸屋」通過、7時45分本八号五勺「御来光館」通過、8時25分九合目通過。
 そして、9時28分遂に二度目の富士登頂を果たした。


 多くのツアーが頂上でご来光を拝みすぐ下山開始するのだが、私は今回の目的である、「頂上でゆっくり時間を過ごす」ことと、「本当の最高峰(3,776m)剣ヶ峰まで登り、お鉢回りをする」ことを行った。


 剣ヶ峰とお鉢(火口)からの景色は最高で、風も太陽の光も爽やかだった。
 剣ヶ峰の上(旧測候所の後ろ)には素晴らしい展望台もあり、はるか下方には日本アルプスが見渡せた。


 残雪か万年雪が火口内の四か所にあり、その一か所に下りて、雪で顔を洗い、口を漱いだ。

 
 (上写真:左に少し雪が見えるのが“このしろ池”) (上下写真:頂上に剣ヶ峰が聳える)

 昨年(2008)の秋、北口本宮富士浅間神社から中の茶屋まで歩き、今年(2009)7月、中の茶屋から登り始め、五合目の佐藤小屋を通過して河口湖口登山道まで行ったので、これで全てを歩いたことになる。
 今年も翌々日だけふくらはぎと太ももがちょっと痛かっただけなので、 来年も登ろうと思っている。

 最後に富士山の魅力についての考察。

 深田久弥の名著『日本百名山』に富士山が世界にも例を見ない山であることが書かれているので、その著書から列挙してみる。
@ これほど多くか語られ、歌われ、描かれた山は、世界にもない。
A 役ノ小角(えんノおづぬ)が633年に登っている(山岳史家M・クルツ『世界登頂年代記』)。
B 平安朝の『富士山記』(都良香著)に頂上の噴火口のことが書かれているが、世界最高峰の登頂記録として約8〜900年レコードを保持。
C ひと夏に老若男女が数万人登る民衆的でポピュラーな山。
D 八面玲瓏の言葉は富士山から生まれた。
 頂上からすそ野までの無障碍の悠揚さ、そのスケールの大きさ、のんびりとした屈託のない長さは、海の水平線を除けば凡そ本邦において肉眼をもって見られ得べき限りの最大の線であろう。

 その美しさは連峰や連山の一つではない“単独峯”だからこそ、一層引き立つのである。

 帰りの途中、一刻も早く風呂に入りたかったので、高速道路の足柄パーキングエリアのお風呂に入った。
 足柄PAから富士を見上げると、今まさに夕日が落ちるところであった。


 やっぱり、“富士は日本一の山”である。

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