土屋きみやす−ツッチーレポート

2013年4月20日(土) 00:00

封切り日に映画『リンカーン』を観てきました。

 封切りを楽しみにしていたスピルバーグ監督の映画『リンカーン』を観てきました。久しぶりに良いテーマ・良い時代背景の映画で、充分満足した。
 南北戦争真っ最中のアメリカ大統領2期目、「奴隷解放」の為の憲法第13条修正を実現すべく議会での多数派工作に邁進するのが、この映画のストーリー展開の中心である。

 したがって、たとえばリンカーンがイリノイ州選出の下院議員当時、「メキシコとの戦争の原因について重大な疑惑がある」という爆弾演説で名を馳せ、一躍その名を轟かせた話や、南北戦争の始まりの頃(大統領1期目の時)は奴隷解放を公約に入れていなかった、というような実話は一切取り上げておらず、一般的な“奴隷制度を終わらせた大統領”を終始描き出していた。

 日頃から日本の幕末と同時代の南北戦争やゴールド・ラッシュの比較を講演している私として、また日頃、アメリカ南部の音楽を歌い・演奏している私としては、全体を通じて南部が悪者のような描写で終わっているのが残念だった。
 実際のところ、南部の人たちが全て奴隷制度存続を求めていたわけではなく、北部の人たちが皆、奴隷制度の廃止を求めていたわけではないのであるが、こうした全体をシロかクロかのような表現は映画という商業ツールのストーリー展開では仕方がないのであろう。

 北軍のグラント将軍は南北戦争の勝利という評価からか、のちに大統領を2期務めたが、彼の周辺は汚職にまみれ“史上最低の大統領”という烙印を押されている。
 それに引き換え、まあ、この映画の最後のほうに出てきた馬上のリー将軍は、台詞も全く無かったが、とてもカッコ良かった。
 (どこかの市長選と、その後の勝者と敗者の評価を思わせますなぁ・・・・・。)

 それから、今後この映画を観る人のために、この映画の挿話(結構重要なポイント)を詳しく紹介できないのが残念だが、この時代、使用人の黒人女性と親しくなった白人は存外多い。
 第3代目大統領ジェファーソンは大統領になる前であるが、奥さんを亡くした後、身の回りの世話をしてくれていたサラという混血女性との間に4人の子供をもうけている。

 幕末の日本で坂本龍馬が倒幕派と徳川側の戦争を避けるために、後藤象二郎と山内容堂をして徳川慶喜に大政奉還(無血維新)をさせたのも、アメリカの同じ国民同士のこの悲惨な戦争を知識として知っていたからである。
 4年間以上続いた南北戦争の死者は62万人であった。

 次回は、テーマとして取り上げよう、取り上げようと思いながら、未だ取り上げていない大河ドラマの「八重の桜」に言及したい。
 現在放映中のこのドラマは、史実の取り上げ方も、配役も、酷かった「龍馬伝」と比較して、とても良い。

written by kimiyasu [ツッチーレポート] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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