土屋きみやす−ツッチーレポート

2013年5月1日(水) 13:12

大河ドラマと放映中の八重の桜について

 今年の大河ドラマ「八重の桜」はなかなか良い。

 ストーリーはともかく、時代背景の描写(たとえば「蛤御門の変」とか)や、放映後のその時のテーマに関する解説、嫌味やケレン味のない役者、などである。

 先ず描写であるが、最初の頃に感心したのは第13代将軍の徳川家定が大きく後ろに反り返ってから言葉を発した場面である。
 様々な歴史書に掲載されている家定は、「声が小さい」、「近親の限られた人にしか言葉が理解できない」などとあるが、ハリスが謁見した際の記録によると、将軍家定は発言の前に大きく体を後ろに反らせ、足でドンと床を踏む動作を3〜5回ほど行ってから言葉を発するが、話すと流暢に話した、とある。
 その一部ではあったが、体を大きく反らせてから発言していたその描写には感心した(ほとんどの人は見過ごしただろうが・・・・・)。

 次に放映後の次週予告に続く「解説」である。
 われわれ多くの人は、会津の松平容保と桑名の松平定敬が兄弟であることは知っているが、生まれは尾張徳川家の3代目に分家した高須家であり、他の2人の兄が尾張徳川本家を継いだ慶勝と茂徳で、彼らを“高須四兄弟”と呼んだことは案外知られていない。これも解説の存在価値を高めた。
 尊皇倒幕時、徳川御三家でありながら尊皇思想だった尾張徳川家の存在は大きかったのである。
 孝明天皇と京都守護職松平容保の強い信頼関係の描写も良い。会津は徳川親藩でありながら、容保は尊王思想が強かった。
 幕末期に、御三家の尾張藩が尊王(皇)・勤皇思想だったのは、尾張が御三家筆頭にも拘らず、第八代将軍に紀州の吉宗が就任し、その後、徳川宗家がずっと紀州になってしまったことへの反撥もある。最後の将軍慶喜も吉宗が家康の御三家に倣って創設した御三卿(後々後継ぎが絶えた場合にも紀州から出すため)の一橋家の当主であったが、気分の良いことに水戸から一橋を継いだ人である。すなわち、慶喜は尊王思想のバイブルのような『水戸学』の総本山、水戸の徳川斉昭の子であった。

 徳川将軍家(実はほとんど紀州家)と尾張&水戸の徳川家との歴史的確執はとても面白いが、その解説は別の機会(私の講演かな?)に譲る。

 最後に出演中の役者であるが、皆、良い。
 主役やバイプレーヤーも良いし、いつもわざとらしい西田敏行も今回は嫌味や外連(ケレン)味がない。

 またまた言及して悪いが、「龍馬伝」は酷かった。
 貧相で薄っぺらな唇の薄汚い着物や髪の龍馬(福山なんとか)、とても汚く(歯まで汚して)怒鳴ってばかりの岩崎弥太郎、わざとらしい演技の武田鉄矢の勝海舟、などなど、再放送も見る気がしない。
 先日、さがみ龍馬先生顕彰会の溝淵会長の招待で、高知県東京事務所の新所長、副所長などと会食をした。
 地元の評価によると、地理的に岩崎弥太郎と坂本龍馬路の接点には大いに疑問が残るとのことであった。
 また、三菱グループから岩崎弥太郎の役作りについてのNHKにクレームがあったとのことである。当然であろう。

   再び批判するが、龍馬と新撰組の近藤勇が直接(それも2度も)刃を交えるなんて、噴飯物のNHK大河ドラマであった。

 ところで、NHKに提案する。
 幕末期を大河ドラマで取り上げるなら、是非とも日米修好通商条約批准のためにアメリカに渡った77人の徳川幕府の使節団(断じて、随行艦の咸臨丸ではなく、正史・副使・目付らが乗って東海岸まで行ったポーハタン号)を、目付の小栗豊後守忠順(通称小栗上野介)を中心にするドラマである。
 ニュー・ヨークのブロードウエイでの大パレードや、ホワイトハウスでのブキャナン大統領謁見など、見せ場は幾らでもあり、日米合作にしても良い。
 民主党政権時代の“トラスト・ミーお馬鹿さん総理”や“中国大握手土下座外交の小沢”が過去の人になった今、安倍親米政権の目玉になる。
 海外取材で、我々の受信料を湯水のごとく使うNHKの体質にもピッタリである。
 いかがでしょう? NHKさん。

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